第37章 最終決戦 鬼の始祖 後編
義勇は涙で覆われた瞳で、陽華の顔を見詰めた。陽華の顔は最後に微笑んだままの綺麗な顔で、義勇には眠っているように見えた。
ふと、義勇の脳裏に陽華の最後の言葉が響いた。
『戦って、義勇。最後まで水柱として…。』
義勇の耳に、仲間達の戦う音が聞こえてきた。
そうだ、まだ終わってない
陽華と約束した
俺は水柱
最後まで自分に…、陽華に恥じぬ戦いを
義勇は陽華に別れを告げるように、その唇に優しく口づけた。そして立ち上がり、音のする方へ歩き出した。
その紺碧の瞳に、静かな怒りを宿らせて
ー 最終決戦 鬼の始祖 後編 完