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【鬼滅の刃】水魚之交

第6章 音柱





緑に囲まれた森の中を陽華は、音柱・宇髄天元と二人で歩いていた。木々の間から、木漏れ日が指していた。

久方ぶりの天元と二人の合同任務。任務はつつがなく終わったが、そのあと柱合会議があったので、そのまま鬼殺隊本部に向かっていた。

その道中、もう少しで鬼殺隊本部というところで、天元が陽華に問いかけた。

「そういや…おまえら、まだ付き合ってんの?」

「え?うん、まぁギリギリだけど。」

陽華が苦笑いで答えた。経験豊富な天元は陽華にとって、お兄さん的存在でお嫁さん達ともども、色々と相談に乗って貰うことが多い。

「あんな地味で、辛気臭い朴念仁の何処がいいかね?素直に俺にしとけ。四番目の嫁にしてやるよ。」

「やだー。口説き文句に四番目の嫁とか、絶対に誰も落ちないと思う。」

「はっきり言うやつだな。本当におまえら、20歳組は一人も可愛くねぇ。……なぁ、ところで冨岡とはもうやったのか?」

ニヤニヤ顔の天元の率直な質問に、陽華は顔が爆発するんじゃないかと思うほど、熱くなった。

「ちょっ、なに…を?」

「男と女でやってるって言ったら、派手に一つしかねーだろ?」

ズバッと聴いてくる天元に答えられず、耳まで真っ赤にした陽華に、状況を察して天元が言った。

「やらせないから、避けられてんじゃねーの?」

「やらせるとかの前の状態で、避けられてんの!!」

ムカッとした陽華が恥も外聞もなく叫んだ。その返答に、宇髄が呆れたように鼻を鳴らした。

「冨岡、あっちまで地味な奴だな…。俺がアイツだったら、おまえみたいないい女、そっこーでやるけどな。」

言ってることは最低だが、自信を失くしかけてる陽華としては、いい女呼ばわりは素直に嬉しかった。

そして陽華は知っていた。天元がこんなに軽口を叩くのは、自分を励まそうとしてくれてること。本当にお嫁さん達を大切に思ってることを。



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