第34章 最終決戦 上弦の弐
童磨の最後に、菩薩像がくずれ始めた。力を使いきった陽華達は、空中に投げ出された。
崩れていく菩薩とチリになっていく童磨の姿を見ながら、陽華は安堵の表情を浮かべた。
ー やったよ、しのぶ。カナエ、有り難う。
そのまま陽華は、身体を地面に叩きつけられ、ごろごろと転がった。
どれくらい横になってただろう?そんなに長い時間じゃない気がする。力を出しすぎた。身体中が痛い。少し動かすだけで激痛が走る。
唯一動く首を傾けると、視線の先にカナヲの姿が見えた。
カナヲはしのぶの髪飾りを握りしめて、泣いていた。
陽華は痛む身体を推し、ゆっくりと立ち上がった。カナヲに近づくと、その身体をそっと抱き締めた。
「…うっ…、陽華さん、うあ~ん。」
「カナヲ…、うぅ…、」
そのまま二人は抱き合ったまま、暫くの間大声で泣きあった。
ー 最終決戦 上弦の弐 完