第32章 宴
実弥の言葉に、小芭内の顔が爆発するんじゃないかというくらい赤くなった。納得いかないとばかりに、床をバンッと叩いた。
「ば、馬鹿かっ!!冨岡だけ、罰でも制裁でもないだろっ!」
小芭内が憤慨したようにそう叫んだが、実弥はそれを抑えるように、義勇に向かってこう言った。
「…冨岡には、ケジメを着けて貰う。…わかんだろォ、この意味よォ…。」
「不死川、…了解した。」
全てを納得したように、義勇が首を縦に降った。そんな二人を交互に見ながら、小芭内は頭を抱えた。
「二人で納得しあっているが、俺はまだ参加するとは…、」
「伊黒ォー、覚悟を決めやがれェー!」
実弥が尻を叩くように焚き付けると、小芭内は泣きそうな顔で叫んだ。
「やだー!こんなことで、こんな大事な事を決めたくないぃぃ!!」
本気で嫌がっている小芭内を尻目に、宇髄はヤル気満々の実弥と義勇に向かって、煽り立てるように言葉を掛けた。
「おめーら、屍は俺が拾ってやるっ!とことん、やれー!」
「「おうっ!」」
それを合図に、三人の前に置かれた盃に酒が注がれた。