第30章 ※お仕置き
「もう…いじわる…しないで…、」
またイきそうな段階で止められ、頭が可笑しくなりそうだった。涙目で義勇を見つめると、義勇は無表情のまま、陽華を見つめ返し、こう言った。
「もう少しだけ、我慢しろ。…我慢しただけ、気持ち良くなる。」
義勇は陽華を仰向けに戻すと、その顔に自分の顔を寄せた。手で額を軽く抑え、顎を付きださせた状態にすると、
「ほら、舌出せ。」
と、強要した。陽華が言われた通りに舌を出すと、義勇はその舌に、自分の舌を絡めはじめた。いやらしく唾液の混ざり合うピチャッピチャッ、という音が静かな寝室に響き合った。
「すごい厭らしい顔をしてるぞ、おまえ。」
「…んぅ…ん…、」
義勇が離れると、陽華は苦しそうに荒く息を吐き出した。そして、懇願するような瞳で義勇を見詰めた。
「もう…ダメ…。お願い、もうおかしくなりそう!入れてっ…、義勇が欲しいの…、お願いだからっ…!」
そう言うと突然、陽華の瞳から、ポロポロと涙が溢れてきて、義勇はびっくりして慌てふためいた。
「す、すまない、調子に乗りすぎた!」
義勇は陽華を優しく抱き締めると、溢れ出る涙を口づけでそっと吸い取った。
「おまえへの想いが強すぎて、いじめたくなった。」
「じゃ、もう怒ってない?」
「初めから、怒ってない。」
義勇は陽華の拘束を取ると、真っ赤になった手首を優しく擦った。
「嫉妬したのは本当だが、怒ってない。」
そう言って、陽華を抱き締めながら、そっと口づけした。
「本当は俺も限界だった。優しくするから、入れてもいいか?」
陽華は手の甲で涙を拭うと、コクりと頷いた。