第30章 ※お仕置き

「ちょっと、外してよっ！」

無理矢理に衣服を脱がされ、頭の上で交差させた手首を浴衣の帯でぐるぐる巻きに固定されて、陽華は抗議の声を上げた。

「……男に組み敷かれたら、こんなにいとも容易く、拘束されるんだ。」

そらみた事か、と言わんばかりに義勇は陽華に股がり、上から見下ろした。

「わからせるのはいいけど、別に脱がせることないでしょ！」

陽華の言葉に、義勇はハッとした。こんなに簡単に服さえ脱がされることも教えたかっただけなのに……。

「おまえ、今すごく興奮する格好してるな。」

「義勇がしたんでしょ！！」

義勇はニコッと微笑むと、陽華を見下ろしながら、こう言った。

「今日はこのまま、するか？」

「は？」

義勇は人差し指を陽華の喉元に付けると、胸の間を通り、へそまでゆっくりとなぞった。

「やっ…、やだっ！」

陽華が小さく声をあげて、ピクッと震えた。義勇は不適な笑みを向けると、陽華に小さく囁いた。

「知ってるか？…拘束されると、自由に出来ない苛立ちや不快感で身体が強ばって、より感度が上がるらしい。何をされるのかって言う期待感も相まって、極上の快感を感じることが出来るそうだ。」

義勇の言葉に、思わず陽華は喉をコクりと小さく鳴らした。義勇はゆっくりと陽華に覆い被さると顔を近づけた。

「試してみるか…。」

「ちょっと…、ぎゆう！やだっ！」

「俺を心を掻き乱した罰だ。今日はたっぷりお仕置きしてやる。」

そう言うと、義勇は嫌がる陽華を黙らせるように、その唇を自分の唇で塞いだ。