第29章 ※逆上せあがる
「ぁ…はぁ…、っ…、」
義勇の小さいが、艶かしい息遣いが間近に聞こえ、陽華は心臓がドキドキと高鳴るのを感じていた。
(ひゃあ~、義勇の息遣いがやらしすぎる!)
陽華は義勇の先端を咥え込むと、舌で円を描くように激しく舐め回した。
「はぁ…、それいいな…もっとしてくれ…。」
そう耳の近くで囁かれ、陽華は自分が興奮してることに気がついた。
(…私、舐めてるだけなのに……、やだ…身体が熱い…。)
陽華は、自分の胸で挟み込んだ義勇を左右から激しく擦り合わせた。咥えた先端は義勇の希望に答えるように激しく舌を使い、刺激していく。唇の端から唾液が漏れ、義勇のそれをつたい、滴り落ちていった。
「くっ…、陽華、もう出る…、離せ…。」
しかし陽華は、義勇から離れようとしなかった。義勇は陽華の頭を両手で抑え、離そうとする。
「飲まなくて…いいから…、あっ…もうだめだ…、うっ!」
その瞬間、陽華の頭を掴んだ義勇の手に力が入り、陽華の唇は義勇から離れてしまった。そのせいで飛び出した白い液体は、陽華は顔面目掛けて、激しく飛び散った。
「あ、……すまん。」
義勇は顔面蒼白になりながら、慌てて謝った。陽華は顔に付いた液体を指で拭うと、その指をペロっと舐めた。
「口の中に出してよかったのに。」
「おまえは…、どうしていつも煽るようなこと言うんだ。」
義勇は湯桁に置いてあった手拭いを濡らし、絞ると、丁寧に陽華の顔を拭いた。
「おまえに、こんな汚い物を飲ませたくない。」
「なんで?義勇は私の…口でしてくれるじゃない。私も義勇のは嫌じゃないよ。」
そう恥ずかしそうに答える陽華を、義勇は堪らずに抱き締めた。
「おまえ、本当に可愛すぎるな。」