第29章 ※逆上せあがる
陽華は義勇の手を取ると、胸の間に挟み込んだ。手を持ち上げながら、ゆっくりと手首から肘、脇の順番で胸の間を滑らせていく。そしてさらに脇、脇腹と、身体を密着させた。
義勇はその動きを見ながら、自分がかなり興奮していることに気がついた。
(……まずい、自分で強要しておいて何だが、卑猥過ぎて、俺が持たない。)
義勇はチラッと自分の下半身に目をやった。それは最大まで膨張していて、今にもはち切れんばかりに充血し、ドクンドクンと波打っていた。
(もう入れたい……。でも…、)
その時だった。
「きゃっ!」
陽華が義勇の肩に掛けていた手が、石鹸の泡で滑り、義勇の前に倒れ込んできた。寸でのところで義勇が支え、事なきを得たが、陽華は眼前の迫った光景に、思わず息を飲んでいた。
(きゃあ~、義勇のがこんな近くに…、)
義勇はその視線に気付くと、囁くように問いかけた。
「…そこも綺麗にしてくれるのか?」
陽華は一瞬驚いたように震えたが、ゆっくりと顔を上げ、上目遣いで義勇を見ると、恥ずかしそうに問いかけた。
「……口でしてほしいの?」
(…こんな可愛い顔で、なんて言葉を…。)
義勇はしばらく考えるように黙り込むと、静かに首を降った。そして陽華の胸元を指差すと、強請るような視線を向け、こう言った。
「いや、…ここでしてもらいたい。」
「え?」