第23章 弟弟子
義勇と炭治郎はある屋敷の前に来ていた。
「あの…義勇さん、ここは?」
「不死川邸だ。」
「あ、乗り込むんですねっ!」
炭治郎が鼻息荒く、義勇に問いかけた。が、義勇は門が見える草むらに身を潜ませると、こう答えた。
「いや、待つ。」
「は?」
どれくらい時間が経っただろうか、何もしゃべらない義勇の横で、炭治郎は気づかれないように欠伸をした。すると突然、横にいた義勇がブルブルと震えだした。
「え?ど、どうしたんですか!」
「今、 あの塀の向こう側で、陽華と不死川が……、いろんなことを想像したら、身体が震えた。」
義勇の目が、不死川邸の塀に注がれた。
(そうだ…、あの塀の向こう側では、もう…、)