• テキストサイズ

【鬼滅の刃】水魚之交

第20章 蛇柱





陽華の言葉に、小芭内は呆れた顔を浮かべた。

「…やはり、お前と一緒にするな。俺は相手にそんな無理強いはさせない。だが…、」

小芭内は、チラッと陽華に視線を向けてこう言った。

「お前がただ冨岡を盲信して、みんなに笑顔を振り撒いてるだけの偽善者じゃないことが解って、…少し見直した。」

陽華は小さく笑い、小芭内に「それはありがとう。」と言った。

その時だった。

遠くの空から、一匹の鴉が鳴きながら、こちらへ向かってきた。

「緊急招集!緊急招集!」

「花子!」

陽華の鎹鴉だった。鎹鴉の花子は陽華の肩に停まると、新たな任務内容を告げた。

「吉原遊郭デ上弦ノ鬼確認!只今、宇髄天元ト数名ノ隊士ガ交戦中!!伊黒小芭内、氷渡陽華両名ハ、直チニ応援ニ行カレタシ!!」

「上弦!間違いないのか?」

小芭内が陽華の鎹鴉に問いかけた。

「上弦ノ陸!上弦ノ陸!」

花子の言葉に、小芭内はわずかに微笑んだ。

「ようやく姿を顕したな。吉原なら、ここから近い!…陽華、行くぞ!」

「あれ……名前、」

急に下の名前で呼ばれ、キョトンとする陽華に、小芭内は照れたような視線を向けた。

「なんだ?」

「ううん、なんでもない!行こ、小芭内!」

そうして二人は、月の光が照らす歩道を走り出した。



ー蛇柱 完
/ 550ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp