第19章 ※青空の下
「…なんで、怒ってるんだ?」
行為の後、不満そうに仏頂面になってしまった陽華に、義勇が喋り掛けた。
「だって、お風呂に入ってないから、やだって言ってるのに、あんな…無理矢理…、しかもっ!」
陽華は顔を真っ赤にすると小さく呟いた。
「…顔…あんなに、近づけて…舐め…っ!」
最後まで言えず、恥ずかしさに顔を手で覆い隠した。
「気にならなかった。」
「義勇が気にならなくても、私がなるの!…これでも一応、乙女なんだからっ!(好きな人に汚いところとか、見られたくないのに…、)」
陽華はそう言うと、抱えた膝に顔を埋めた。
「…それは、悪かった。」
謝罪の言葉を口にするが、反応がない。その後は何を言っても無反応が続き、困った義勇は強行手段にでた。
「陽華…、」
名前を呟いて、そっと陽華の肩に手を回すと自分の方に引き寄せ、その頬にチュッと口づけをした。びっくりした陽華は頬に手を宛てたまま、義勇の顔を見た。義勇は優しい表情で陽華を見つめたまま、
「ごめん…。」
と呟いた。
ずるい、そんな顔されたら許してしまう。陽華は顔が熱くなるのを感じ、思わず顔を手で覆った。