第15章 同期
その言葉に、炭治郎は思い出したように陽華に向かって頭を下げた。
「その件なんですけど、ありがとうございます!まさか、陽華さんや冨岡さんが命を掛けてくれていたなんて…。」
陽華は、頭を下げる炭治郎の頭をポンポンと優しく叩いた。
「いいのよ。私たちみんな共犯者みたいなもんじゃない?…まぁ、切腹のところは師匠から何も聞いてないけど…。」
「え"?」
陽華の告白に、炭治郎は驚きの顔を浮かべた。
「まぁ、そのつもりではあったから、問題ないけどね♪」
そう言って、炭治郎に向かってウインクした。
「陽華さん…。」
炭治郎は感動に目に涙を浮かべていた。
感動している炭治郎の目の前で、突然陽華が「あっ!!」と、大きな声にあげた。何かを思い出したように、驚きの表情の浮かべ、手で口元を覆った。
「ねぇ?柱合会議で、禰豆子が実弥の手をパクってしちゃってたら…私たち今、この場にいなかったかもしれないんだよね?やだー、こわーい!!」
そう言って陽華は、ケラケラ笑った。
笑っていいのか分からない状況で、一瞬止まってしまった炭治郎だが、あまりにも明るい陽華の笑顔に釣られて、一緒に笑いだしてしまった。
その横で全てをみていた善逸は、
「やっぱ、柱になる人は、度胸が違うわ…。」
と、一人呟いていた。
ー同期 完