第15章 同期
那田蜘蛛山での一件が終わり、炭治郎達は蝶屋敷に治療のため、入院していた。
「みんな、元気になったー?」
元気に声をあげながら、陽華が病室に入ってきた。
「陽華さんっ!」
突然の来訪者に炭治郎は嬉しそうに陽華の名前を呼んだ。善逸もにこにこと笑顔になる。
誰もが歓迎ムードの中、たまたま病室に炭治郎達の見舞いに来ていた人物だけは、ビクッと身体を震わせた。
「あぁー、村田!なんで、こんな所にいるの?」
ここにいるはずのない、見知った顔を見つけて、陽華は見舞いに来ていた人物、村田のそばに駆け寄った。
「なんだ陽華か、驚かすなよ。柱の誰かが来たかと思っただろう!」
「いや、私も一応柱なんだけど。それにしても、また生き残っちゃって、相変わらず運がいいね。」
「運じゃねぇ、実力だ。」
そう言って、胸を張る村田にクスリと陽華が笑った。
「そうかもね。あの那田蜘蛛山の惨劇の中に、唯一軽傷だしね。」
「嫌みな感じで言うな。」
二人の軽快なやりとりをみていた炭治郎が言葉を挟んだ。
「あのー、お二人は知り合いなんですか?」
「一応ね、同期なの。」
「えぇぇーーー!!」
黙って聴いていた善逸が驚きの声を上げた。その声を聴いていた村田が額に青筋を浮かべた。