第13章 ※潜入任務
呼吸を整え落ち着くと、義勇は陽華へ目をやった。力尽きてはいるが、意識はあるようだった。
「大丈夫か?調子に乗って無理をさせた。」
義勇が心配そうに覗き込む、陽華は目をトロンとさせ、こう言った。
「ううん、…最高だった。」
突然、そんなこと言われ、義勇は顔から火が出るかと思うくらい熱くなった。それを隠すため、義勇は顔を反らすと、陽華にこう言った。
「陽華、さすがにこんなに長時間も、二人いないとなると怪しまれる。俺はもう行くが、おまえは怪我人となってるから、辛いようなら、少し休んでいけ。」
義勇はベッドから下り、身なりを整え始めた。鏡の前でボタンをはめ、緩めたネクタイを締め直す。乱れた場所をチェックすると、髪を軽く整えた。そして陽華の方に向き直り、優しい表情でこう言った。
「行ってくる。」
「行ってらっしゃい。」
ベッドに横たわりながら陽華が答えると、義勇は部屋から出ていった。その一連の行動を見ていた陽華は、ベッドに顔を埋めると、
「やっぱり義勇って、めちゃくちゃ格好いい…。」
と、一人身悶えていた。