第13章 ※潜入任務
産屋敷家の一室で、義勇と陽華はお舘様・産屋敷耀哉と向き合っていた。
「潜入ですか?」
陽華の問いかけに、お館様はゆっくりと答えた。
「そうだよ。義勇、陽華、今回君たちには、ある屋敷に潜入して貰う。」
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東京郊外にその屋敷はあった。鬱蒼とした木々に囲まれた、高いコンクリート塀によって、中を垣間見ることは出来ない。
門をくぐると、中はだいぶ広かった。煉瓦で塗装された道を少し歩くと、その屋敷はようやく姿を表した。日本様式ではなく、西洋建築の立派なお屋敷だった。
「外壁も大きかったけど、屋敷もかなり大きいね。」
その大きさにびっくりした陽華は、思わず声に出した。
「外国かぶれの当主が何年か前に、外国に存在した屋敷を、そのまま模して造ったらしい。」
陽華の横に立った義勇が言った。
ここに、鬼が居ると情報が入ったのは、1ヶ月ほど前。何人もの使用人が消えているらしい。
鬼殺隊員を何人か送ったが、全員、連絡が途絶えた。その為、柱である陽華達に要請がかかった。
ここの当主は、政府にも多大な影響を持つ人物。証拠を掴むまで、絶対に正体を知られていけないと、お館様にきつく言われていた。
「さぁ、行くぞ。」
義勇は屋敷の玄関口に立つと、真鍮製のノッカーを鳴らした。