第1章 私の未来は変わっていく
心臓を戻す為に近づくと、ジッと顔を見つめられる。この女がどこまで知っているのか…もし、コラさんとの事まで知っているとしたら?この先の俺の行く末も知っているのか。あれこれ考えていると、突然女が指を鳴らす。
「あのー、さっさとしてくれない?」
「あ、あぁ…すまない」
戻す時、一瞬呻くがそれだけだった。知っていたとしてもこんな反応はなかなかないだろうに。度胸が座りすぎだろう。自殺願望があったにしても、変わった女だ。
「そういえば名前は?」
「篠崎みのり」
「みのりか…」
「おお…すっげえ…」
「…なんだ」
「いや、その声で名前呼ばれると…異性の免疫ないからちょっと、やばい」
ふと唐突に顔を赤らめてそう言うと、散々顔を見てきたくせにサッと逸らす。
「あー、ところで、私の能力なんだけど…」
「…どうせなら他の奴らの前の方がいい。いちいち説明するのも面倒だろ」
「あ、それは良いね。何回も説明とか面倒臭いし」
さっきまでの顔はどこにいったのか、真顔でそう言うとスタスタと歩き出す。本当に変わってて面白い女だ。
「おいみのり。他の奴らの名前は知ってるのか」
「っ、ちょ、名前呼ばないで。なんか照れる」
「質問に答えろ、みのり」
「うわぁああ嫌がらせだ…面倒くさっ!」
「早くしろ、みのり」
「あーもー!ベポとシャチとペンギン!それ以外は知らん!」
「そうかみのり。俺の名前は?」
「うっわぁ、もう本当に何なのローってそういうキャラだったの!?トラファルガー・ローでしょ!」
何なのかは分からない。ただ、不思議と…こいつなら良いかと思えてくるから…俺が飽きるまで傍に置いてやろう。そう決めた。
「おいみのり、場所も分からないのに先に行ってどうする」
「じゃあ名前呼ぶのやめてよ!」