第1章 私の未来は変わっていく
女はとにかく奇妙な事ばかり言っていた。海賊として俺が船を出してからまだ島を1つしか渡っていないのに、女はハートの海賊団と言った。まだ他の海賊にも海軍にも遭遇していないのに広まる訳が無い。
「まぁ…お前が自分の意思で来た訳じゃないのは分かる。ただ、何でそんなに落ち着いてるのか分からねぇな」
「あーもー…どうせ説明したって信じないんだから、さっさと殺してよ!」
女が我慢の限界だと言わんばかりに叫ぶと同時に、俺の腕が弾けるように後ろに退けられた。その勢いで少し後ろによろめいた。今の力はなんだ?ドフラミンゴの力にも似ているが、俺の知っている限りではあんな能力は他にはないぞ!?
慌てて剣を取り構えるも、女の方は青ざめて動く様子がない。一体なんなんだ、この女は。
「おい、お前…」
「ごっ…ごめんなさい!わ、私、今の、ついやっちゃって…手、折れてない!?大丈夫!?」
ハッと正気になったかと思えば慌てて立ち上がり俺の腕の心配する。折れてないのかと聞いてきたって事は、今ので折れる可能性があったのか?
「あー、っと…その…あー!もう!信じてくれないだろうけど!悪魔の実の能力とかじゃなくて…私、生まれた時から変な力があるの!そのせいで、ずっと辛くって、だから死にたくなって…今なんでここにいるのかわかんないけど、私が知らないだけで私が能力使っちゃったんだと思う…それぐらいしか、私に言えないの…」
さっきまでの態度とはうってかわってオロオロし、決心したのか少し苛立った様子で捲し立てる。その内容はよくは分からない。分からないが…。
「嘘じゃ、なさそうだな」
「し、信じて…くれるの?」
「こんな世の中だ…不思議な事なんかいくらでもあるだろ」