第1章 私の未来は変わっていく
みのりに、好きな奴…誰だ!?シャチか!?ペンギンか!?まさかベポ!?それとも…いや、誰だろうと構わない。とりあえず1回全員ぶった切って…。
「ちょっと、ロー!何でそんな私の好きな人なんか気にするの!」
それを言われて、固まる、そうだ、何で気にするんだ…何で、俺が…別に、みのりに恋人が出来ようと俺には関係がない。船員の恋愛を邪魔する権利は俺にはない。なのに、でも、だから…。
「…まさか、ロー…」
あぁ、これは、この気持ちは、まさか…。
「貴方、まだ私のお父さんのつもりでいるの!?」
そういう事にしといてやろう!!!
「もう、娘の恋愛気にしてる父親みたいなんて本当に恥ずかしい。そんなにもイケメンなんだから人の恋愛より自分の恋愛を気にしなよ!」
「…お前が、危なっかしいのが悪い」
「そりゃあ、確かに…でも、最近はそこまでじゃないし…」
「昨日酔っ払って歩けなくなった奴が何言ってやがる」
「うぅ…」
上手い事誤魔化せたか。みのりが馬鹿で鈍感で助かった。…鈍感で助かった?つまり、俺は…?
「………みのり…」
「何?」
「…もし…もしもだ…お前を好きだって奴が現れたらどうする」
「え、面倒臭いし好きになられても困るから振るしかない」
よし、落ち着け。仮にこいつを好きになっても不毛すぎる。そもそも好きになる要素もないだろ。顔は悪くないしスタイルも悪くない。笑った顔はむしろ可愛いが放っておけないから大変だし、酔った時はそりゃあ急に色気出てくるし、泣いている時の顔は守ってやりたくなるし…。
「………寝不足のせいだ、そうだ…きっとそうに決まってる」
「あ、そういえば、ローったら寝てないじゃん!早く帰って寝た方がいいよ」
「あぁ…そうする…」
「私、後どれぐらいで完成なのか聞いてくるから先に帰ってて」
「いや…それぐらい待つから。早く聞いてこい」
「…分かった。待っててね!」
さっきまでの事はもう忘れよう。それが1番だ。そう決めた。
「ねぇロー!後3日で出来るって!次の島は何島かな…私冬島がいいなぁ」
決めたつもりだった。でも、みのりの嬉しそうな顔を見て、それが俺だけならと思った。今までの感情を忘れる事は出来ない。
「俺は、不毛な恋をするしかないみてぇだな」