第2章 キラ(月)VS竜崎(L)
月『ははっ、それじゃあ、僕はろくでなしみたいじゃないか?』
竜崎『はい。月君はろくでなしに近いと思います。それに、そもそも、月君の女性の価値感は、その女性を利用出来るか、出来ないかの違いではないんですか?』
僕は竜崎を睨んだ。竜崎は、そんな僕を見ても、笑みを崩さず、さも当たりだろうという顔しながら、僕を見ている。そんな竜崎に、僕はイラッとしたが、敢えて顔には出さず、竜崎に言った。
月『どうして、そう思うんだ? 違うからこそ引かれる、という事もあると思うが?』
竜崎『いえ、月君に限ってそれは無いでしょう…?』
月『何故(なぜ)?』
竜崎『月君は他人に心は開かないでしょう?常に自分が一番正しいと思っている…。違いますか?』
月『竜崎…。それは、お前の方なんじゃないか?常に自分は正しい、自分は間違っていない。そう考えている…。違うのか?』
お互いに睨み合いながら、言葉をかわす。
竜崎『そうですね…。確かにそうかも知れません…。お互いが、お互いに、自分が正しいと思う信念を持っている…。それに、私としては不本意ですが…、月君と私は、考え方が近いのも事実です…。』
月『割りとあっさり認めるんだな…。』
竜崎『こればかりは、本当の事なので、認めない訳には、いきませんから…。』
と苦虫を噛み潰したような顔をしながら、竜崎が言った。
竜崎『その事はもう良いです…。話しが脱線しました…。そもそもの問題は、美雪の事です。』
月『そうだったな。まぁ、とにかく。僕は彼女の事が気に入った。だから、改(あらた)めて美雪さんに話し掛けたりしている。
でも、それは、竜崎には関係無いんじゃないか。美雪さんは、誰の物でも無いんだ。わざわざ竜崎の許可は必要ない。違うのか?』
竜崎『いえ、大(おお)いに関係があります!彼女は私のです!なので、もう美雪に構わなで頂けますか?』