第2章 闇
黒子side
隣の席にきた女の子。
相田美風さん。
なぜか見覚えがあります。
さっきから思い出そうとしてるんですが、思い出せない。
…………。
けど何か……目の光が曇っているような…?
入学式が終わり、解散。
僕はバスケ部を見ようと思っているのですが、彼女はどうするんでしょう?
黒「これからどこか見に行くんですか?」
精一杯自然な流れで聞いたつもりです。
「…気になる部活がないから帰ります」
入学早々に帰宅部希望なんですね。
「黒子君はどうするつもりですか?」
黒「僕はバスケ部を見ようかと…」
「…っ。そうですか。気に入るといいですね」
今彼女、僕がバスケ、と言った途端に顔を歪めました。
ダメ元で誘ってみましょうか。
黒「一緒に行きますか?」
「…………お誘いありがとう。けど、遠慮させていただきます」
相田さんは僕に軽く会釈していった。
けど僕は見てしまいました。
相田さんが、バスケ部勧誘の先輩を避けていき、体育館をじっと見つめたのを。
…相田さん、バスケになにか思うことがあるのでしょうか。
頭に様々な疑念を抱きながら、僕はバスケ部見学に向かった。