第3章 小さな天使 (姫宮 桃李)
「顔も赤いし、………もしかして熱!?」
色白で小さい手が私の額に触れてくる。少し冷たくて気持ちが良かった。
「熱ぅっ!!?も~!熱あるじゃんっ!具合悪いなら学校に来ちゃダメなんだからねっ」
『え…………?熱?ん~………大丈夫だよ』
「大丈夫くないっ!早く保健室に行くよっ!」
小さな手が私の手を引っ張って駆け足で学校に向かう。
ドキドキと胸が高鳴って顔が熱くなってきた。
でも、これは熱じゃないということはわかっていたけど、彼の反応が面白くて私は黙っていることにした。
『えへへ』
「えへへ♪じゃないっ!も~!アリスのバカっ!ちゃんと保健室で寝てなよ!」
ぷんぷんと頬を膨らませながら私の看病をしてくれる天使のような子兎のような男の子を見て、私は小さく微笑んだ。