第1章 彼とうまいもの
トゥルルルル、トゥルルルル
私のスマホがなっている。
画面を見れば“銃兎くん”と表示されていた。
「ちょっと理鶯!銃兎くんに言わないで来たの?」
理鶯は無言を決め込んでいる。
『もしもし、お早うございます銃兎です』
「おはよう銃兎くん、理鶯のこと……だよね?」
『ええまあ、朝からすみません。もしかして理鶯がそちらに行ってないかと思って』
「うん隣にいるよ、ごめんね」
『さんが謝る必要はありませんよ』
銃兎くんは優しく笑いながら言った。
『今から戻ってくるように伝えてもらえませんか?今日は集まるように伝えてあったんですが』
「そうなの?今すぐ行かせる」
『お願いします。あとさんにもお話が』
「私?」
『例の事件の犯人と思われる男を容疑で逮捕しました』
「あ……早かったんだね、良かった」
『それで男の顔をさんに確認してもらいたいんです、ヨコハマまで来て貰えませんか?』
「わかった、理鶯と一緒に行くよ」
『お手数おかけします、宜しくお願いします。では後程』
銃兎くんが先に電話を切った。
そっか、捕まったんだ。これで安心できる。
「理鶯いつまでくっついてるの!起きて早く準備して!銃兎くん達待たせてるよ!」
まだ起きたくないと顔に書いてあるが無理やり起こす。
「私も一緒に行く、あの犯人捕まったんだって」
そう伝えると理鶯の顔が険しくなった。
「そうか。なら仕方ない、風呂を借りる」
「お風呂入ってる場合じゃなーい!!」