第2章 幻影シンガー
「うっ…。ご、ゴホン!ま、まぁ…歌唱力はそこそこのようだが、ここは由緒あるナイトレイブンカレッジ。そのような歌を歌われても評価はできんな。」
『・・・。』
自分が指定したくせに、歌った後で歌自体の文句かよ・・・
とあきれてしまったため、あたしはまた息を吸った。
――――――――♫
今度歌い始めたのは、さっきの人魚のプリンセスの登場する作品のヴィ○ンズである海の魔女の曲。悩めるかわいそうな人たちを救済するあの曲を、今度は英語であの海の魔女のように妖艶に、美しく歌って見せた。
さすがにその歌を歌ったことによって、教師は腰を抜かした
この曲もあの教科書に乗ってはいたが表紙よりも少し後の曲。他の生徒たちもかなり驚いた顔をしていた。
『…もういいですか?』
「あ…、あぁ…。」
腰を抜かしてしまった教師を無視して席に戻っていく
さっきとは周りの目も違った。
「何者だ…あいつ」
「なんであの歌知ってんだよ…。異世界から来たって言う人間だろ?」
「ってか、すっげえうめえな…」
と、初めて聞く人の反応そのままだった。
あたしの歌を聴いた人は必ず「すごくうまい」と必ず言う。
その言葉を聞けただけであたしは少しだけ優越感に浸れた。