第7章 恋歌エチュード
『お待たせしました、スペシャルセットです』
「はい、ドリンク3つですね」
アイとユウがホールで働いていると噂がたったからか、いつも以上に盛況になったモストロ・ラウンジにアズールはウハウハだった。
「やはりマジカメに載せたのは正解でしたね。お2人の活躍によって売り上げが上昇しています!」
「そうですね…でも、こちらの機嫌が最高潮に悪いですがね。自分で持ってきた衣装だというのに」
と、アズールとジェイドは満足しているようだったがフロイドだけはずっと膨れっ面で怒っているようだった。まぁ、自分の好きな人がメイド服を着るのはいいがそれで他の男の目にさらされているのが気に食わないのだろう
「ちょっとウナギちゃんのとこ行ってくる」
「あまり問題は起こさないでくださいね」
と、イライラMaxのフロイドを見送るジェイドだったが多少嫌な予感がしていた。なぜなら彼が向かっている彼女のもとでは男子生徒が彼女にちょっかいをかけていたからだ。
『ですから~そういうサービスについては支配人を通していただけませんか?』
「えぇ~いいじゃん、俺らお客様だよ?ちょっとくらいのサービスいいじゃん。」
『だから…支配人通せっての…』
「ちょっと相手してくれればいいんだか…」
「へぇ~じゃぁ~…」
と、アイに絡んでいた生徒達のテーブルの上にフロイドはダンッ!!と音を立てて彼の長い脚が乗った。
「オレが相手してあげようか?」
客であるはずの男子生徒の顔を覗きこむように笑顔を向けているがその笑顔は決して穏やかなものではなかった。
しかし・・・
『テーブルに足を乗せるなドアホ!!!』
と、先にフロイドを制したのはほかでもないアイだった。彼女が持っていたおぼんがフロイドの頭を直撃しいい音が鳴り響いた。