第7章 恋歌エチュード
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『おいフロイド…コレは何だ?』
「何って、ウナギちゃん達用の制服♪」
『制服って…メイド服じゃねえか!!どこにあったんだよこんなもん!!!』
「ウミウマ君のお店」
モストロ・ラウンジのスタッフルームに通された彼女達は、フロイドが用意した服に着替えたが・・・それはなんともクラシカルなスカート丈がやたらと短いメイド服だった。
そしてそれは、男装をしているはずのユウにも支給された。
『サムさんって…なんで売ってんだよ…』
「これ着て交尾するんでしょ?人間って」
『しねえよ!いや…ある一定の人間の趣味的には間違ってないが…ってかどんなもん見てんだよお前は!!』
「あーウナギちゃんうるさい、せっかく可愛いんだからーあ、オレのこの黒いフリフリ好き~」
『おい!ガーターベルトを…じゃない!太ももを触るな!!』
と、他のスタッフが見ているにもかかわらずフロイドとアイは無意識にイチャイチャ(本人否定)をしている横ではジェイドがほほえましく見ていた。
もちろん、フロイド達ではなく・・・
「あ、えっと…自分なんかがこんな格好でいいのでしょうか」
「えっ…えぇ、あなたも顔立ちからして見れば大して女生徒変わりありませんので、宣伝としては申し分ないですよ。」
「そ…そうですか、でも自分にはやっぱり似合わない気が…」
「い…いえ、脱いでも他の着替えがありませんので!そのままでいないと裸をさらすことになりますよ。」
メイド服のスカートをなびかせて鏡を見ているユウにアズールは眼鏡が曇るほど顔を熱くしていながらメイド服のユウを凝視するという意味の分からない行動にジェイドは必死に笑いをこらえていた。