第5章 深海スターブ
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『うぅ…』
「アイちゃん…大丈夫?」
『なんとか…』
昨日の夕方からあたしはケガのせいもあって高熱が出てしまった。熱が引いたのは2日後・・・アズールとの契約の期限の日の朝だった。
『ごめんよ…大事な時に…あれからどうなった?』
「それが…」
と、昨日までの事をユウに聞いた。
オクタ寮のVIPルームの金庫に契約書が閉まって会ってそれを破ろうとして失敗。ある作戦を思い付いてレオナ達と相談?して今から勝負を仕掛けるとまでざっくりと説明された。
『ほぉ…あのレオナが協力するなんて…』
「うん。それで今からみんなと珊瑚の海に行くんだ。アイちゃんはまだ病み上がりだからこのまま休んで…」
『いや、あたしも行くよ。2日間寝すぎで何にもできてないから』
「えっ…でも…」
『大丈夫だよ!あたしだってオンボロ寮の寮生だから!監督生様のために仕事させてくださいよ』
「うーん…じゃあ、海に入るのは危ないと思うからレオナ先輩達と…」
ユウから作戦を告げられたが、レオナ達と一緒というのがどうもあたし的に気が気でなかった。まぁ・・・怪我してるからあいつらも何かしてこようとは思わないだろう・・・
『OK。まかせてよ』
「ホントに無理はしないでね!」
と、ユウに念押しをされてあたし達は保健室から出た。
・・・というか、今更だけど2日間保健室で寝っぱなしでよかったのかな・・・