第4章 狂恋ラビリンス
「うなぎちゃんさぁ~。その肩何?」
『…何あんた、見たの?』
「だって、うなぎちゃんから血の匂いがしたから。誰にやられたの?」
『…あんたに関係ないでしょ』
・・・やばい気配が背中にヒシヒシと伝わってきた。
フロイドに背中を向けて着替えようとしたが肩を見られたってことは、夕べラギーが付けたアレを見られたってこと・・・
それに対して、ものすごく怒ってるのが・・・背中で分かった
「・・・。」
ベッドに座っていたフロイドが大きくベッドを軋ませて立ち上がったと思ったら、ラギーの歯形がついている左肩に思い切り噛みついてきた。
『痛ッ!!』
腕を振って抵抗してもそれを瞬時に受け止めてまた肩の辺りを齧ったりなめたりしてくる。
「…何オレ以外に身体見せてるの?また誰か誘惑してるの?」
『いっ…お前、やめろよ!!』
「うなぎちゃん、オレ許さないよ?オレ以外の誰かに触らせるの…近づかせるの」
フロイドのその言葉に、なぜかあたしはイラっとした。
その怒りがなぜか腕にも伝わってあたしは思いきり腕を振った。それはフロイドの頬に命中した。
「痛って…何すんだ…」『あんた、一体何様なわけ!?』
フロイドの言葉に被せるようにあたしは大声で叫んだ。
フロイドもいつもなら罵声を浴びせるだけのあたしが怒りを込めて叫んでいるのに驚いているようだった。
『何が許さないだよ、そもそもアンタらがあたしをここから追い出したりしなければこの傷もつかずに済んだんだよ!!もとはといえばアンタらのせいなのになんであたしが悪いみたいに言ってんだよ!!あたしはアンタの所有物じゃないっつうんだよ!!』
息切れしながらフロイドに向かって叫ぶ
フロイドはいつも以上に冷たい目であたしを見ていた。
その目を見ていたら・・・なぜかあたしは泣いていた