第4章 狂恋ラビリンス
「えっ…うなぎちゃ…」
『…嫌いだ、アンタなんて大嫌いだ!!』
涙でぐちゃぐちゃになりながら、あたしは思わずそうやって叫んでいた。あまりにその言葉が予想外だったようでさっきまでの冷たい目が急に見開いた。あたしは、そんなフロイドを完全に無視して自室から出て行こうとした。
「ちょっと!うなぎちゃ…」
『もうウザい!!どうせあんたのとこの寮長との契約クリアしたらもうあんたらと関わることなんてないし…さっさとユウのとこ行ってどうするか相談するよ。そうすれば、アンタとなんて関わらなくて済むんだからさ!!』
「おい!!」
フロイドの呼びかけにも一切答えずにあたしは寮を出て行った。ボロイ寮なのに入り口のドアをバタン!!!と閉めて出てきてしまった。
涙はまだ止まってない。
でもなんで出ているのかも分からないままだった。
***
「えっと…アイちゃん?大丈夫?」
『だいじょばない!!』
ユウを探していたら、突然ユウに連れ出されていきなりアトランティカ記念博物館に行くことになった。ジャックにエーデュースも一緒だった。
「なんか姐さん機嫌悪いな。」
『気にしないで!さっさと片付けてさっさと帰ろう!!』
ずっとイライラしてるあたしはユウに手を引かれながら例のアーシェングロットからもらった水中でも息ができるようになるという薬を飲んだ。
とても人が飲めたものではないが、急に息が苦しくなってきたため慌てて鏡の中へ入った。