第4章 狂恋ラビリンス
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『ん…』
気が付いたら、さっきよりも窓から多く光が差していた。
あぁ~なんか、凄くぐっすり寝た気・・・が
『だぁああああ!!!!』
目が覚めて身体を起こそうとしたら、すぐには起き上がれなくてパッと横を見たら、見たことのある顔が寝ていた。しかもあたしのことを抱き枕状態にして。
「…ん~、なぁに?うなぎちゃん、うるさいんだけど…」
『お前…何してる!!』
「えぇ~それこっちのセリフなんだけど~。担保で預かってる寮で寝てるとか。契約違反でアズールに言うよ?」
『あのさ、はっきり言ってあたしが契約したわけじゃないんだからさ。ここに入れないのはあの子だけでしょ、自分の部屋で寝ててもいいだろ。ってか、なんであんたはここに?』
「んぁ~…毎朝うなぎちゃんの歌聞きに来ててその癖で?」
『えっ…聞いてたの?』
実はあたしは、学校に行く前にいつものあの広場で1人で歌っていたのだ。ネズミや小鳥たちと朝の身支度をするプリンセスの歌とか塔の上で毎日同じ生活をしているプリンセスの歌とかを1人で大熱唱しているのだが・・・それを聞かれていたなんて・・・
『何ソレ…恥ず…』
「毎日楽しそうに歌ってるうなぎちゃんって、見ててすげえ可愛いって思ってたよ」
『あんま褒められている気がしないんだけど…ん?待って、今何時?』
「ん~と、もうすぐ2限終わるとこかな?」
『はぁ!?何そんな時間まで寝てたの!?ってか、起こせよ!!』
「痛て…うなぎちゃんせっかく可愛い声なのにそんなに怒鳴らないでよ。」
あたしはフロイドを蹴り飛ばしてベッドから跳ね起きて慌てて制服を着直そうと思った時・・・ふと思った。
あたし・・・制服のボタン外して寝たっけ?そして…リボンタイ取ったっけ?