第4章 狂恋ラビリンス
「…オレは優しいっすよ。」
まだぬるぬるしてるあたしの下半身にそっと触れる
さっきの名残で触られただけで身体が動く。お風呂に入ったばかりで身体が熱いはずなのにぬるぬるの秘部に当たったモノはそれ以上に熱を帯びていた。
『あ、ひっ…んん!!』
熱くて硬いモノはレオナみたいに急にじゃなくてゆっくりとはいってきた。ここにも名残があるみたいで入って来ただけで大浴場中にあたしの声が響いた。
「…うわ、アイちゃ…さっきやったばっかなのにキツいッス…。すっげえ気持ちいいッスよ」
『んん、ん…うぅ、あッ』
「アイちゃんッ…」
優しくあたしの名前を呼ぶラギーだけど、呼ぶ回数と動く回数が増えるたびにどんどん出入りする力が強くなっていった。
・・・なのに、なんでだろう
何か・・・今気づいた。
レオナの時もそうだったけど、この行為に何も感じてない。
いや、違う・・・感じてないというのは体感的なことじゃなくて気持ち的なことだ。
この行為って俗にいう恋人がすることのはずで
行為自体に愛とかを感じるはずなのに・・・
「アイちゃん、好きッス」
なんでだろう・・・
レオナやラギーに好意を持ってないからかもしれないけど
・・・あれ?そういえばこの前・・・ガリッ!!
『痛っ!!』突然、肩口にレオナの時以上の痛みが走った。
痛い部分を見ると、左の肩口に歯型がついていて血も出ているくらいだ。
「アイちゃん。さすがのオレでもセックスしてるときに余計なこと考えられるの嫌いなんっスよ。」
またさっきと雰囲気が変わった彼のたれ目が少しだけ鋭くなっていた。その言葉を皮切りにラギーは身体中に噛み後をつけていく。もちろんあたしの中で動くこともやめない。
『ぅあッ、あっあ、あ…ぁあ!!』
「アイちゃん…ッ!!」
『ひっ、やっ…んん!…んぁ、あぁああ!!!』
甲高い声が、大浴場に響いた。
その後に残ったのは、あたしとラギーの荒い息遣い。
熱さと疲れでバテているあたしとは対照的にラギーはすぐに身体を起こしてあたしの髪をなでた。
「…アイちゃん。オレのこと好きになって…」
お風呂の湯気とふわふわする頭の中にその言葉が残った。
でも・・・それ以上何かを考えることはできなかった