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偽りの歌姫 《ツイステ》

第4章 狂恋ラビリンス




***


「レオナさんもひどいっスね。自分だけ満足して寝ちゃうなんて…はい。お風呂溜めたっスよ」

『…ん』


もうラギーが何で一緒にお風呂に入ろうとしているかとか考えるのもできなかった。あたしはラギーに連れられるままサバナ寮の大浴場にやってきた。ラギーに手を引かれて湯船に入るとちょっとだけ身体の疼きがおさまった。でも股の辺りがぬるぬるしてて気持ちが悪かった。


「…アイちゃん、こっち向いて」

『ぇ、あ…』


ラギーは優しくあたしの頬に触れると顎を軽く誘導してそっとキスをしてきた。さっきのレオナの後だと尚の事優しく感じて・・・


『んっ…う、んふ、ん…』

「あぁ~あ、レオナさんたらアイの胸に傷つけちゃって…」

『あ、ら…ぎ、何す…』

「…ずっと待ってたんスよ。レオナさんの事だから絶対自分が満足したらやめて寝ちゃうって。んで、オレが満足しきってないところを狙っちゃおうって…」


さっきまでの優しい表情から一変して、さっきのレオナのように獲物を狙う獣の顔になった。


『やっ…ちょ、待っ…なんで…』

「シシシッ、オレはハイエナっスよ。多種の獲物を横取りするのも、多種が残したものを食べきるのも性なんッスよ。」


お風呂場だからお互い裸のままラギーがさっきよりも強めにキスをしてきた。パシャッ…と水が跳ねる音と共にラギーがあたしを抱きしめる。あ・・・なんか、足に当たってる・・・


「最初植物園であった時から一目惚れだったんッス。可愛いなと思った後に、あ…歌姫の子だって気づいたんスよ。周りはアイちゃんの声がいいって言うんッスけどオレはそれ以上にアイちゃん自身が好きなんス。」

『ぁ…』

「レオナさんがどう思おうが、関係ないッス。だから…」


ラギーがあたしの身体を湯船から出して大浴場にあるベンチのところに運んだ。そばに置いてあったバスタオルを引いてその上にあたしの身体を置く。


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