第4章 狂恋ラビリンス
・・・そう心配してレオナの部屋に来たが、レオナは意外にもすぐに寝てしまった。ユウもグリムもレオナを起こすまいとすぐに眠りについた。
だが、あたしはさすがにすぐには眠れなかった。
ただでさえレオナには警戒しているし・・・
『…綺麗な夜空』
音を立てないようにレオナの部屋にあるバルコニーに行く
レオナの部屋は寮の中でもかなり高いところにあるから星がよく見えていた。
――――‥‥♪
星空を見ると、どうしても歌いたくなってしまう輝く星に願うあの歌・・・。レオナの逆鱗に触れない程度に小さな声で歌った。
「…アイちゃん」
『ひぇ!?…っと、ラギー!?』
1人だと思っていたのに、いつの間にか背後にはラギーがいた。一応警戒はしていたつもりだったのに…
「シシシッ、アイちゃんあんまり気持ちよく歌ってるとレオナさん起きちゃうッスよ?」
『…あたしの歌なら安眠にでもなると思うけど?』
「うわっ、すっごい自信っスね。でも、やっぱりそういうとこもオレ好きっスわ~」
『はぁ?あんたもあたしの声が好きっていう口?生憎その程度の口説き文句って聞き飽きたんだよね』
分かったらさっさと帰れ、寝るから…とバルコニーを後にしようとした。すると・・・
「おい…」
『え…げっ!』
目の前には、寝ていたはずのレオナが立ち塞がっていた。
ラギーが後ろでシシシ…と笑っていたため多分ラギー自身は気づいていたのだろう。
「俺の眠りを妨げるなと言ったはずだが?」
『…悪かったわよ。でも、あたし1人の責任だからユウとグリムは…』
「はぁ?何も出てけなんて言ってねえだろ」
『は?でも…』
「眠りを妨げたのは事実だ。その責任はとれよ」
『ねぇ、さっきからなn…⁉』
少し眠そうにしていたレオナだったが、あたしがイライラしながら見ていた瞬間レオナの目がギラリと光った。そう思った瞬間レオナに腰と頭を抱えられて強引にキスされた。