第4章 狂恋ラビリンス
寮を出るとさすがに冬間近ということもありかなり寒い
グリムが己を棚に上げてつらいとか言ってるけど、ユウがとりあえず屋根のあるところを探そうとした。
すると、心配で来てくれたというエーデュースとジャックが現れた。ハーツラビュルの2人は一応寮長であるリドルに話はつけてくれたというが、退学者がほぼいないハーツラビュルでは、窮屈になってしまうのでは…と揉め始めた。
「…なら、サバナクロー寮にでも来るか?」
と、ジャックが提案した。
おそらく彼の中では気を遣ってくれたのだろうけど、あたし的にはぜひとも遠慮したかった。特に、あの寮長とは極力会いたくなかった・・・でも、ユウが狭いのは嫌だと言ってしまったから、泣く泣くサバナクローにお世話になることになった・・・。
***
「却下だ。」
サバナクローに行くと案の定あの寮長は拒否してきた。
いろいろと理由をつけてはあたし達を追い出そうとしてきた。
でも、ラギーの私欲のこともあり、勝負するうえで勝てばOKと承諾されてしまった。
「あーでも、レオナさんのお部屋とは言え2人と1匹追加はさすがに狭い気がするんで~アイちゃんは、オレの部屋に来てもいいッスよ」
と、ラギーはあたしの腕を掴んできた。
それもそれでこいつもただならぬ気配をしていたから嫌だといった。だが、レオナは・・・
「ラギー、そいつも俺の小間使いだ。勝手に持ってくんじゃねえ」
と、低く唸っていた。
あたしにとってはどっちに転んでも身の危険が伴う気がしてならなかったが・・・