第4章 狂恋ラビリンス
『ったく!!あんたのせいでオンボロ寮を担保に取られたんでしょうが!!アホダヌキ!!!』
またアレから数日経った。
あの時、カリムにまっすぐな気持ちを伝えられて以降歌を我慢するのはやめた。自分の歌いたいときに好きな歌を歌うようになった。
そんな時にあった学園の期末試験。
あたしは勉強がそこそこ得意でも不得意でもなかったためギリギリ赤点回避の点を取れた。
・・・ところが、同じ寮のグリムがあのオクタヴィネル寮のアズールとよく分からない契約を交わしたせいでそれを撤回するために今度はユウがアズールと契約、その担保に寮が撮られてしまいあたし達はオンボロ寮を追い出されたところだ
「し、仕方ないんだゾ!!オレ様だってこんな…」
『うっせぇ!黙ってろタヌキ!…んで、どうするのユウ』
「うん…とにかく、どこかの寮に泊めてもらわないと…」
「だから~、特別に白ウナギちゃんだけは無料でオレ達の寮に泊めてあげるったら~」
あたし達を追い出した元凶の1人であるフロイドがあたしに覆いかぶさるようにのしかかってきた。寮は担保で預かるから出てけと言っておきながら・・・
『だから、あたしはユウが心配だから一緒にいるの。ユウが一緒ならオクタ寮に行くけど?』
「えぇ~小エビちゃんとアザラシちゃんも~?それは無理。だって定員オーバーだもん」
と言ってユウとグリムを見てため息をつく。
じゃあその話はなしね、とあたし達はとりあえずオンボロ寮を出て行った。