第3章 誘惑ボイス
「…なぁに?今の声…すっげえキたんだけど…」
『ふ…ぇ?ぁ、触…』
「触っただけで身体びくびくさせて…可愛い」
フロイドの冷たい手が、頬に触れてくる
冷たくて気持ちいいと思ってしまったり、細いけどごつごつしているのがはっきりとわかるくらい過敏に感じてしまう。
『あ、や…耳ッ…』
「耳弱いのぉ?まぁこのまま連れてくのもやだし…いっか。ここで」
『えっ…』
フロイドは、被せてきた制服ごと抱きしめてまた舌を強引に口の中に押し込んでくるキスをしてきた。
あたしの舌とフロイドの異常に長い舌が絡んだり上あご舐められたり…舌吸われ…たり・・・
『ん、は…ふぁ、んぁ…ぁ!』
キスが深くなるたびに、フロイドはなぜか口の奥へと舌を伸ばしてくる。それに手の指で口を開けようとしてるようにも感じる。
「ッは…白ウナギちゃん…声可愛い、もっと…もっと聞かせて」
『ぇ…ひぁ!あっン…!!ひぁああ!!み、耳ぃ…やめっ!!』
片手で耳をふさいでもう片方の耳をものすごい勢いで舐めてきた。唾液が絡む音が片耳を塞がれているせいでよく聞こえる。そのせいで自分の聞いたことのない声が口からあふれていく
「ん…あはっ、満足したぁ~。」
『ハァ…はぁ…てめぇッ!』
「あ~、白ウナギちゃん機嫌直ったね。」
と、フロイドが離れるとあたしはいつものような口調で話すことができているし身体も動くようになっていた。
でもまだ立ち上がると膝がガクガクしている・・・
「…しょうがないな~。オレが抱っこしてあげるよ」
『はぁ!?ちょっとやめろっての!!あたしは歩け…』
「白ウナギちゃんさぁ…」
膝が震えてうまく立ち上がれないあたしを見かねたのか、フロイドはあたしをお姫様抱っこで抱え上げた。
奴の腕の中で暴れると、今度はまた冷たい目に戻った。