第3章 誘惑ボイス
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「あの、僕はあなたが好きです。」
NRCの校舎裏
人通りがあまりない場所に連れてこられたあたしは、オクタヴィネル寮の人に告白をされた。
あたしのどこが?と聞くと、きれいでスタイル良くて何より歌がうまい・・・と、取ってつけたようなみんなと同じようなセリフを吐いた。
『…あの、あたし内面を見てくれる人じゃないと嫌なんですよね。見た目だけいいなら世の中いっぱいいい人いる。たまたまこの学園に女があたししかいないからっていう錯覚だと思いますよ』
と、それだけ言ってあたしはその人も前から立ち去ろうとした。すると・・・背後から小さくつぶやく声が聞こえてきた。
それが何を言っているのか分からなくて、思わず振り返ってしまった。
すると、男があたしに向かって手のひらを見せて・・・
ゾク・・・!!
突然、背筋から足元までを電気みたいなものが走る抜けた感覚が襲ってきた。立っていられないくらいの足の震えにどんどん早くなる呼吸と鼓動・・・
「やっぱ女相手だと効きやすいな、俺のユニーク魔法」
さっきは自分の事を僕呼びしてたやつが俺呼び・・・
それではっきりした・・・嵌められた・・・って