第3章 誘惑ボイス
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「アハハ!!アイと歌うとやっぱり楽しいな!!」
『あたしも。誰かと歌うってあんまりないけど、カリムと歌うのは楽しい』
とある昼休み、中庭で同い年のカリム・アルアジームと一緒に座って歌を歌う。ランプの魔人の歌を一緒に歌うと1人で歌うよりもテンションが上がる。
今までは、ずっと1人で歌っていたけどあたしの歌を気に入ってくれたカリムから声をかけてきてくれて時々一緒に歌を歌っている。
「…あ、あの」
カリムと歌っていると、誰かから声をかけてきた。
左の腕に金の寮証が着いている制服を着ている・・・オクタヴィネル寮の生徒だろう。
『なんですか?』
「お…お話が」
「なんだ?用ができたのか?んじゃオレ行くな!!」
これが、リドルだったら一緒になって聞いてくれるだろうけどなんせカリムだ。何も考えていないのか・・・分からないけど、その場を立ち去ってしまった。
・・・どうも嫌な予感がした