第3章 誘惑ボイス
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『もうあいつ嫌い…』
「フロイドか…。アレは気分屋だからね。飽きるのを待つしかないのではないのかい?」
『うぅ~…リドルにも見放されたらどうしたらいいわけ?』
同じクラスのリドルにフロイドの愚痴を聞いてもらっている。
リドルもなんだかんだあいつに絡まれて迷惑しているらしく愚痴が絶えない。
「それより君、最近は大丈夫かい?」
『…前よりは減ったけど』
リドルに心配されたのは、あたしのストーカーとかの事
前の歌の一件からか、あたしは何人もの男子生徒に告白されることがやたら増えた。
当然興味もなかったから全部断ってきたけど、それ以降ストーカー化した奴がいたり襲われそうになったこともある。
その都度リドルが助けてくれたり自分で解決したりしていたけど・・・
『まだ誰かから見られてる気はするんだよね。』
「そうなのかい。何かあったらいつでも頼っていいからね。」
『…うん、ありがとう』
「多分…、君の声には不思議な何かがあるのかもしれないね」
リドルはそう言って、あたしの頬を通ってのどに優しく触れた。あたしの歌は、昔からすごいと言われていたけど・・・
力があるとは、とても思えない