第6章 裏切り
優しすぎるかかしの判断に涙がでた。
「火影様と、かかし及び…仲間たちの信頼を裏切ってしまい…申し訳ありませんでした‥‥」
深々と頭を地面につけ謝罪した。
握りしめた地面の土が爪の中まで食い込む。
こんなもので足りるとは思わない。
「おぬしも心より悔いておるとみえる。
わしも、せっかく戻ってきたおぬしにチャンスをもう一度与えてやりたいのだ。
これからは、この木の葉の里のため、火の意志を持ってつくしてくれるかの?」
「はい…」
「ほかの暗部のメンバーにはわしから説明はしておく。
余計な心配はいらぬ」
「ありがとうございます。
あの…火影様…アンナさんは‥どうしておりますか?
彼女にも謝罪をしたいのですが…」
火影様は、顔を上げた私をみて大きくため息をついた。
「アンナは…かかしが里から連れ帰るとき消えてしまったとかかしから聞いておる‥」
「…消えた‥‥と申しますと…?」
「それがわしらにもわからんのだ…生きているか、死んでいるかもわからぬ。ただ、姿がどんどん透けて、その姿はなくなったと」
「‥‥そう‥ですか…」
自分が牢屋にいる間にそんなことになっていたとは…
かかしは大丈夫なのだろうか。
私は本当に大変なことをしてしまった…
ぬぐい切れない後悔と罪悪感が次々とこみ上げた。
「すいれんよ。おぬしも思うことはたくさんあろう。それでも、木の葉の忍びとして、仲間として、かかしを頼むぞ」
「…はい…」
私の眼差しをしっかりと見届けた後、火影様は去っていった。