第6章 裏切り
すいれん サイド
私は暗部という立場ながら、同じ木の葉の住人を敵に売ったことで牢屋に入れられていた。
暗部は火影直轄で信頼が最も重要。
たった一人の男を手に入れたいと思ったがために、彼女を引き離すためだけにすべての信頼を裏切ったのである。
これまでの自分の功績から考えても、怒りと嫉妬心に駆られた心はこうも自分を変貌させてしまうのか。
愚かとしか言いようがない。
かかしが私を問い詰めた怒りの声が、今でも頭に鮮明に木霊する。
なんてことをしてしまったのか…
そう思って大きくため息をついた時、目の前に三代目様があらわれた。
「すいれんよ。少しは冷静に物事を捕らえられたか?」
「…はい…」
「おぬしの処分についてだが、かかしの希望も考慮してしばらくここでの謹慎、その後はしばらく里外での長期勤務をしてもらうことになった」
「!?」
里の住人を売った自分がそんな程度ですまされると思わなかった。
「火影様、それでは‥罪が軽すぎます。私は厳重な処罰をうけるべきですし、その覚悟もできております」
「うむ…そういうであろうと思っておった。お前には少し話しておくべきかと思うてな。わし自らここへきたのだ。
アンナのことだが…実はなんらかの形で別の世界からきた人なのだ。」
火影様の話は、物語のような魔訶不思議な内容だった。