第6章 裏切り
呼吸を合わせ両端にいた班の2人と同時に走り出す。
2人とも他の敵の気配も周りに感じていた。
2人は、アンナ、すいれんの保護及び隠れている敵を、俺は一直線に、白衣を着た胸クソ悪いそいつに向かって走った。
あとからきた援護の班もいいタイミングで突入し、すいれん、アンナの保護・奪還は成功。
男は大きく抵抗することもなく俺の雷切に貫かれていた。
だが…俺は聞き逃さなかった。
雷切を打ち込む瞬間、男は笑ってこういっていたのだ。
「遅かった」と。
男の体から右手を抜き取ると、急いですいれんではなく、アンナのもとにかけよった。
こんな時に限って嫌な予感しかしない…
「かか…し…」
吐血し、力なく横たわる彼女をみて俺は理解した。
アンナはすいれんより先に、すでに薬物実験にされていたのだと。
俺に1人選ばせるふりをして、奴は最初から___
すいれんは拘束され、俺は後始末と、アジトすべての調査を指示すると急いでアンナをつれ里へ走った。
頼む、間に合ってくれ
俺はこれ以上誰も失いたくない
どうか俺の生きがいを奪わないでくれ__