第4章 再会
すいれんサイド
ようやく会えたかかしに、思いを伝えてみたけどそれはまったくの期待外れの答え。
私と別れたあとに、相当たいへんな思いをしていたことは話から分かった。
そっか、オビトもリンも、ミナト先生までも失ったのか…
私を忘れていたことなんて責められない。
でもそこからかかしを救い上げた人との出会いが最近だったなんて…
自分はなんてタイミングが悪いのか。
もう少し里へ戻ってくるのが早ければ…
といっきに後悔の念に押し寄せられた。
私はこれからかかしとともに同じく暗部で任務を遂行する。
これまで生きがいとしていた人が、かつて同じ気持ちだった人が、今は別の人を思っている。
暗部の任務は厳しい。
かかしがそうであったように、下手すれば精神的ダメージも深くなる。
一気に自分自身が不安定になる恐怖がこみ上げてきた。
私にこなせるのか…
我慢していたが、突き付けられた現実に感情が抑えられなくなりパタパタと涙が後から落ちていく。
かかしは何も言わず、近くにあったベンチに私を座らせてくれ
「ほんとにごめん…」
そうポツリとつぶやく。
私は…ここであきらめなければならないのか。
心の中にポツンと黒いものが浮かび上がる気がした。