第4章 再会
かかしサイド
すいれんを新しい家に送り届けてから俺も家に向かって歩き出す。
心が痛い…いや本当に痛いのは俺じゃない、すいれんだ。
悶々と考えているうちに家に着いた。
アンナが抱き着いて迎えてくれる。
抱きしめると安堵のため息が出た。
すいれんを傷つけてしまった‥
それでもアンナの存在を隠せるはずもなかった。
こいつは今や俺の生きがい、俺の生きる目的でもあるのだ。
「アンナ…」
「ん?なに?」
「ずっと…ここにいてね」
「ふふ。かかしは甘えんぼだなぁ。ここにいるよ。
かかしのそばにいる」
ぎゅっと抱きしめて、彼女の体温を感じた。
すいれんのことは何となく言えなかった。
言わなくてもいいとも思えた。
俺ははっきりすいれんには気持ちがもうないことは伝えたのだから。