第3章 現実と心の狭間
「かかし…戻ってたんだ。心配してたから‥その‥よかった。」
それだけなんとか言ってその場を離れた。
うまく、笑えてた自身がない…
こんな状況で家に帰るといっても、同じ家かよ!って思いながら、家に入ってすぐにお風呂に逃げた。
横に置いていたかかしに対する感情が、改めて向き合ってみるとやっぱり自分が思った以上に大きかった。
別の女の人と親しくしていることが、あそこまで嫌だったなんて。
自分が彼にとって特別なんだと思っていたからであろう、でも実際は恋人ではないのだ。
「…悲しい…」
素直に思いを口にだした。
私がベッドに入っても。かかしは帰ってこなかった。