第3章 現実と心の狭間
今日でかかしは3日帰ってきてない。
任務内容は教えられないからって、その代わりにだいたいどのくらいで帰ってくるかは言ってくれるけど、時に当てにならい。
遅くても2日で帰るっていってたのにな…
何もなければいいなと思ったが、少し里のあたりで帰ってきてないか見てみようと家を飛び出した。
私はもうめでたく2か月の監視を終了しており、一応自由に外出することを許されている。
もうすっかり夜だけど、ま、私も大人だし夜道くらい平気だと思い、思い当たる場所はそこまで多くないけどわかる範囲で、かかしを探してみた。
何かしないと不安だったのかもしれない。
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やっぱりいるわけないか…
きっとまだ里にも帰ってきてないんだと思ったら、こりゃ無駄だったな、と自分自身に苦笑いした。
額の汗をぬぐって、なんとなく左側を見たとき、そこには見覚えのある銀髪が見えた。
「!?‥か‥」
名前を呼び掛けて、言葉につまった。
誰か知らない女の人といたからだ。
友達にしては、女のほうがやたらと、かかしにくっついている。
二人の距離が近い。
普通の友達ではないだろうと女の勘がいう。
なんか、なんかすごくやだ…
鼓動が更に早く脈打った。
なんとなく視線を感じたのか、かかしが私に気づいてこっちを振り向く。
「!?アンナ‥?」
私はいったいどんな顔してたんだろ…