第2章 かかしの闇
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ん、鳥が鳴いてるよ…朝か…
んー…まだ起きたくない…
ふかふか気持ちいいなぁ
暖かいなぁ
と隣に感じるものに頬ずりする。
「ん…んん?…!?」
そのぬくもりの正体を確認して一気に目が覚めた。
「おはよ」
と、少し照れ臭そうにかかしが言った。
「!?あわわ‥ごめん、思いっきりかかしに‥その‥汗」
なんてこった…あのまま一緒に寝てしまって、しかも布団かと思って思いっきり顔うずめてたっっ
「いいよ‥それより昨日は‥俺のほうこそごめん。
…その…仕事柄、あーなっちゃう時があって、自分でもコントロール効かなくて……アンナが、もし嫌なら…監視、護衛する人も一緒に住む人も変えてもらうから‥」
「………やだ」
「へ?…」
「だから、やだって言ったの。」
「やだって…だって昨日の俺みたでしょ?ちゃんと考えた?」
「だから、やだって言ってんの。ちゃんと考えた」
「ちゃんと考えたって、今即答したでしょ?
それ考えてないから」
「うるさい。私がこのままで良いっていってんだから、言うことききなさいよ。
私は、それでもここにいるっていってんの。
ここがいいっていってんの。
私だって人の死を山ほどみてんだよ。
かかしが不安定になろうが、衝動的になろうが、血まみれだろうが、私も看護師やってたんだから、んなことで私は動じない。
そりゃ私は忍びじゃないし、抱えてる苦悩は同じじゃないだろうけど…」
私は思いっきり、かかしをにらんだ。
「それとも、かかしが私と一緒にいるの、嫌なの?」
それがかかしの本音なら、まぁ仕方ない。
「…いやじゃないよ。むしろ、昨日はほんと助かった…」
銀髪をわしゃわしゃと掻きあげながらかかしは答えた。
「じゃ、余計な心配しなくていーじゃん。
おなかすいたから、ごはんにしよ?」
そういって、二人で朝食の準備をした。
あんな強気な発言したけど、嫌だって言われてたら私心折れてたな‥今更ながら安堵した。