第2章 かかしの闇
かかしサイド 続き
________________
眼が覚めたら、夜明けだった。
不安定になった俺のことを必死に守ろうとしてくれていたのか、俺も俺で無意識に彼女に助けを求めていたのか、お互いの体はからみあっていた。
久々によく眠れた感じがする。
人の体温って、こんな心地よかったか。
衝動的に誰かと夜を過ごすときがあっても、ここまで気を許せない。
許したくない。
アンナのあどけない寝顔を眺めながら、罪悪感が蘇った。
覚えている。
見下ろした彼女が不安そうに小さくなっていたこと。
何かを言いたそうにしていたのに、俺はまったく聞く耳をもたなかったこと。
挙句の果てに、過呼吸まで起こして倒れる始末…
もう最悪‥‥
あれこれ考えながら、もう一度彼女のそばに身をうずめて目を閉じた。