第2章 かかしの闇
かかしサイド
予定よりも任務が長引いた。
暗殺任務だったが、相手側に特殊能力を持つものがまぎれこんでいててこずった。
それでも、隊長である俺はひるむわけにもいかない。
電光石火のごとく、次々と暗殺をこなした。
そんな俺の姿をみて、俺は周りからも、里外からも血も涙もない、冷血な奴と言われた。
里のためとはいえ、殺しは殺しだ。
相手の最後の表情、言葉、感じる体温…毎回と言っていいほど気分が悪い。
感情を殺しているが、任務が終わると俺も暗部ろ班隊長ではなく、はたけかかしに戻るのだ。
だが、あまりに過酷な任務の場合、なかなか切り替えができないことがある。
生きるか死ぬかの死闘をした直後は、自分が生きている実感をとてつもなく感じたくなったり、自分のやったことに対しての自責の念に飲み込まれそうになったりと、精神が不安定になる。
アンナと共同生活をするようになって、なるべく血塗られた格好で帰宅することは避けていたが、今回はどうしようもなかった。
俺にはまったく余裕がなかった