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【ツイステ】落としたビー玉【プラスb】

第2章 近くて、遠い


バイパー家は、代々アジーム家に仕えている家系だ。
だから、ジャミル自身も将来はアジーム家に使えるのが当然とされて来た。
そして、その長男はカリム。
必然的に、ジャミルはカリムの従者として期待されるようになったし、自身もそう考えた。
事実、カリムは幼い頃の遊び相手から、一緒にいるのにジャミルを選んだし、周囲もそれに賛同した。
しかしーー。
ジャミルはそこまで考えて、頭を振った。
カリムのことは大キライだし、友達になるのはごめんだ。
だが、カリムの世話をしないとも言ってはいない。
一つだけ、心に引っかかる事がなければ。
ジャミルはため息を一つつくと、明日の予習のノートを閉じた。
「まあ、こんなもんだろう」
重要な要点は頭に入れた。
あとは授業で頭を整理すればいい。
一つ伸びをすると、ジャミルは隣の机に視線をやる。
ジャミル同様予習をしているがスラスラと几帳面そうな字を書いていた。
盗み見た横顔は繊細で、美しい。
美貌で有名な第二夫人の母親によく似ている。
「…何?ジャミル」
ふと視線に気付いたがジャミルへ視線を返す。
「すまん、なんでもない。わからない所はないか?」
「ありがとう、大丈夫だよ」
そう言いながら、もペンを置いた。
カリムとは、たった6ヶ月違いの弟。
視線が絡まる。
熱を帯びた燃えるようなの視線に、ジャミルの喉がごくりと鳴った。
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