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【SPRIGGAN】Rookie hero【男性主人公】

第1章 プロローグ


「……」
山本は一つ吐息を付くと、ほんの少しだけ眉根を寄せた。
様々な思いの入り交じった嘆息。
まるで……そう、駄々っ子をあやすような表情。
「だーもう、そんな顔したって無駄だぜ!オレは前からこの日は仕事入れんなって言ってあった筈だからな! そのかわりの仕事はもう前にやってあるはずだ。オレにだって都合があるんだ! 今回の研究発表出なきゃ、単位もらえねーんだよっ! だから出ねーっつったら出ねぇ!」
「……優」
「他にも空きが居るんだろ? そっちに頼めよ! ジャンでも、達樹でも、他のA級エージェントでも……!!」
「そうだな。確かに優の言っていることが正しい。仕方ない、他の人に頼むとしよう…。」
山本は溜息を一つ吐くと、ゆっくりと立ち上がった。
「おう、そうしてくれ……じゃあな」
「は今どこにいるんだったかな。連絡が取れるといいが……」
「――?! ち、ちょっと待てよ山本さん!!って……」
「おや、どうした優?帰るんじゃなかったのか?」
「帰るさ! 帰るけど……! 何でオレの代わりがよりにもよってなんだよ?!」
「何故って……?そんなにおかしいか?だってスプリガンだし、今空いているのがしかいないんだよ。仕方ないだろう」
「……きったねー! きたねーぞ、山本さん!」
「おや、何がかね」
「はまだ訓練が終わったばっかのヒヨッコだろ?!山本さん、あんたをミッションに行かせるって言ったら、オレがミッションに行くって思ってるんだろ?!」
「私だってを一人でミッションに行かせたくはない。まだ新人だし…そうだな、確か単独でのミッションは初めてのはず。だが、お前がいけないのならば仕方がないじゃないか……それとも、を独りで行かせるくらいなら、お前が一緒に行ってくれるのか……?」
「あああああーっもう! なんでなんだよ? 他にもジャンとか、ティアとか、達樹とかいるだろー?!」
「ジャンはオーストラリアへ、達樹は北米に、ティアはトルコだな。……もちろん仕事でね」
「……」
「…どうした優?帰っていいぞ。夜中に起こして悪かったな」
そこまで言われると、優は苦々しい顔で大きなため息をついた。
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